北海道の昆布が富山のソウルフードである3つの理由
総務省統計局「家計調査年報」によると、2017~2019年にかけての都道府県庁所在地別1世帯当たりの年間平均昆布購入金額調査において、富山市が他市を大きく引き離す形で1位となりました。特に羅臼昆布や利尻昆布など、ブランド昆布と呼ばれる高級昆布の消費が多く、贅沢な使い方をしているのが特徴です。汁物や麺類のだしとしてだけでなく、昆布そのものを食べる料理も深く根づき、毎日の食卓に欠かせない食材となっています。しかし国内の昆布はほとんどが北海道で採取されており、全体のほぼ95%に相当します。なぜ昆布が採れない富山県で昆布が多く消費されるのでしょうか?
理由①北前船
江戸時代から明治にかけて大阪と北海道を結び、日本海沿岸の航路を行き来した北前船。
北前船は米や酒、衣類など日用品を積んで北海道で売り、その代金で北海道からは昆布やニシン、魚肥などの豊かな海産物などを仕入れ、日本各地の寄港地で売りさばいていました。富山には岩瀬や伏木などいくつかの寄港地があり、その結果として県内に大量の昆布が出回り、様々な利用方法が広がっていきました。
理由②昆布ロード
当時鎖国の真っ最中、中国で昆布が高く取引されていることから、薩摩藩によって密貿易が行われていました。昆布の運搬を手がけた業者には売薬業者が数多くおり、売薬業のかたわら北前船で昆布を北海道から薩摩へ、薩摩藩から琉球王朝へ運んでいました。さらに昆布は琉球から清国へ密輸され、清国からは漢方薬の原料が輸入されました。それが薩摩藩を通じて当時製薬の中心であった越中の製薬業者に売られました。このルートは昆布ロードと名づけられ、このように北前船で昆布を運搬し、昆布の見返りとして、清国から輸入された薬の原料を買っていました。こうして富山の北前船が取り扱う昆布の量が増えたことが、富山の昆布消費量が増えたことに繋がったのです。
理由③北海道への移住者の増加
明治中ごろから、富山湾の沿岸部に住む人々は漁業だけで安定収入を得ることが難しいため、北海道への本格的な出稼ぎを始めました。彼らは北海道へ移住すると、沿岸漁業や昆布漁に従事しました。現在でも昆布の産地として有名な羅臼町の町民の7割以上が富山県にルーツを持つと言われています。それらの人々が地元にいる家族や親戚に昆布を送るなどの交流が生まれ、次第に昆布が富山県民の食生活に浸透していきました。
オリジナリティ高まる富山の昆布商品
富山の昆布の食文化は独自に発展し、加工法や食べ方には他の地域にはない特色が見られます。とろろ昆布やおぼろ昆布の加工、ニシンの昆布巻、昆布巻かまぼこ、刺身の昆布じめ、昆布のおにぎり等は他県では珍しい使い方です。最近では、ナンやクッキー、パン、米菓にも使われ、富山県における昆布の可能性は広がり続けています。
昆布を使った商品
【8Pこぶ柿】
カリッとした歯ざわりともち米、昆布の旨みがおいしい塩味のあられです。食べきりサイズの小分け袋が8つ入っております。発売から20年以上続いているロングラン商品です。
希望小売価格:440円(本体価格) 規格:104g(13g×8袋) 賞味期限:製造日より150日 ケース入数:10 商品サイズ:24×31×4.5cm アレルギー:大豆
【昆布好きにおくる昆布あられ】
刻み昆布を搗き込んだあられに、とろろ昆布をまぶしました。その名の通り昆布好きの方へ向けた昆布づくしの醤油あられです。
希望小売価格:330円(本体価格) 規格:80g 賞味期限:製造日より150日 ケース入数:12 商品サイズ:17×27×4cm アレルギー:小麦、大豆